タイトル: アシュワガンダ（Withania somnifera）とアルジュナ（Terminalia arjuna）が若年成人の身体的パフォーマンスと心肺持久力に与える効果

「最近運動しても疲れやすくなったな…」

「筋力や持久力をアップさせたい！」

「自然由来のサプリメントで運動パフォーマンスを向上させたい」

今回はアシュワガンダとアルジュナの併用・飲み合わせのお話です。

この記事では、アシュワガンダとアルジュナが運動パフォーマンスと心肺持久力にどのように影響を与えるかを解説します。

もし、アシュワガンダとアルジュナの併用を検討している、もしくはどちらかの効果が気になっているという方はこの記事を読むと参考になると思います。ぜひ参考にしてみて下さい。

そもそもアシュワガンダとは

アシュワガンダ（学名：Withania somnifera Dunal）は、数千年前からインドの伝統医療『アーユルヴェーダ』において、心身のストレスに効果を発揮する薬や強壮剤、更には媚薬としても活躍してきたハーブです。

今日では様々な臨床研究を通じ、それらの効果が現代科学にて証明され注目を浴びています。

実物はナス科の常緑低木です。馬の（アシュワ）匂い（ガンダ）が名前の由来。
馬の強壮な精力にちなんだという説も。

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論文の基礎情報

今回の論文の基礎情報は下記の通りです。

今回ご紹介する論文は、「健康な若年成人におけるWithania somnifera（アシュワガンダ）およびTerminalia arjuna（アルジュナ）の身体能力および心肺持久力への影響（和訳）」です。

PubMed

Effects of Withania somnifera (Ashwagandha) and Terminalia arjuna (Arjuna) on physical performance a… Withania somnifera may therefore be useful for generalized weakness and to improve speed and lower limb muscular strength and neuro-muscular co-ordination. Term…

はじめに

アシュワガンダとアルジュナの概要:

アシュワガンダ（Withania somnifera）は、インドを中心に伝統的なアーユルヴェーダ医学で使用されている植物です。

アルジュナ（Terminalia arjuna）も同様にアーユルヴェーダ医学で用いられる植物で、特に心臓に関連する効果が注目されています。

アーユルヴェーダ

古代インド発祥の伝統的な医学。

健康と病気の治療に自然の力を利用することを重視しています。

生活習慣や食事、ハーブなどを用いて、心身のバランスを整え、健康的な生活を送ることを目指しています。

Ayurvedic Medicine: In Depth

アルジュナ

インド原産の樹木。

その樹皮には心血管の健康をサポートする効果があるとされています。

特に、血圧の調整や動脈硬化の予防、心臓病のリスク低減に役立つとされているため、アーユルヴェーダやハーブサプリメントとして使用されています。

Hypocholesterolaemic effects of Terminalia arjuna tree bark – PubMed

Efficacy of Terminalia arjuna in chronic stable angina: a double-blind, placebo-controlled, crossove…

伝統医学における心臓病への利点:

アシュワガンダは、健康と長寿を促すラサヤナとして分類され、心臓病にも有益とされています。

ラサヤナ

アーユルヴェーダ医学で重要な概念。若さと活力を維持・回復させるための健康増進法を指します。

これには、適切な食事やライフスタイルの変更、特定のハーブを使用した治療が含まれます。

ラサヤナは、抗酸化作用、抗炎症作用、抗ストレス作用などの効果があり、全体的な健康と寿命の向上に役立ちます。

一方、アルジュナは主に心臓病、冠動脈疾患、心不全、高コレステロール血症、狭心症などに対する効果が知られており、冠動脈疾患や高血圧、虚血性心筋症に役立つとされています。

おなじみの「伝統医療の効能を科学で証明しようぜ！」。

研究の目的

この研究の目的は、アシュワガンダとアルジュナが、若い成人の運動パフォーマンスにどのような影響を与えるかを評価することです。

具体的な評価項目は下記の通り。

上記の指標を用いて、それぞれの植物成分が運動能力にどのような効果をもたらすかを調査しています。

平均絶対および相対パワー

平均絶対パワーとは、筋力トレーニングや運動中に発揮される筋肉の力の平均値を示す指標です。

一方、平均相対パワーは、筋力を体重に対して正規化した値で、個人の体重による違いを考慮して筋力を評価するための指標です。

これにより、異なる体重の人々の筋力を公平に比較することができます。

ACSM's Foundations of Strength Training and Conditioning

最大酸素消費量（VO2 max）

運動時に体が酸素を消費できる最大限の能力を表す指標。

これは、心肺機能や持久力の良い目安とされています。

VO2 maxは、一般的に、ミリリットルあたりの酸素消費量（ml/kg/min）で表されます。

高いVO2 maxを持つ人は、運動時に効率的に酸素を利用できるため、より長時間激しい運動を継続できます。

ACSM's Guidelines for Exercise Testing and Prescription

研究の方法

ここでは、研究の方法について下記の内容で紹介します。

参加者の選定

研究には、健康な成人40名（男女混合、平均年齢20.6 ± 2.5歳、平均BMI 21.9 ± 2.2）が参加。

上記の人達は、文書による同意を得ており、倫理委員会の許可も取得しています。

抽出物の投与内容

下記の表の内容で、各参加者に抽出物が投与されました。

研究結果

研究結果の内容について、下記の内容で紹介します。

アシュワガンダ単体の摂取による効果

研究結果では、アシュワガンダの摂取により、下記の効果が得られました。

当サイトではおなじみの結果。

アルジュナ単体の摂取による効果

一方、アルジュナ単体の摂取をしたグループには下記の効果がみられました。

最大酸素消費量（VO2 max）の向上がアシュワガンダと重複していますね。

アシュワガンダとアルジュナの併用による効果

アシュワガンダとアルジュナを併用した場合、バランスと拡張期血圧を除くすべてのパラメータで改善が見られました。

2つのハーブの良いところを両取り出来たような印象ですね。

結論：アシュワガンダとアルジュナの効果と適切な摂取方法

今回の研究で、下記のことが分かりました。

1. アシュワガンダ:
   
   全身の疲れや倦怠感に対して有益であり、速度や下肢の筋力、神経筋協調力を向上させる可能性があります。
   
2. アルジュナ:
   
   心血管持久力を向上させ、収縮期血圧を下げる効果があると考えられます。
   
3. 若年成人に対する安全性と適切な用量・期間:
   
   本研究において、アシュワガンダとアルジュナは、若年成人に対して安全であり、適切な用量（1日500mg）および期間（8週間）で摂取することが推奨されます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。最後に今回の記事の内容をまとめて締めたいと思います。

アシュワガンダだけでも充分に運動パフォーマンスへの効果がありますが、アルジュナと併せて摂取することで相乗効果が発生することが今回の記事で伝わったかと思います。

運動パフォーマンスの効果向上のためにアシュワガンダを検討している方も、すでに摂取している方も、よろしければアルジュナと併せての摂取を検討してみて下さい。

今回の記事は以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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