アシュワガンダが睡眠障害を改善した研究結果：GABA作用による効果的な解決策

「最近、なかなか寝付けない。」

「夜中に何度も目が覚めちゃって、疲れが取れない。」

「自然な方法で睡眠の質を上げたいけど、どうすればいいか分からない。」

今回はこのような人たち向けの記事です。

睡眠障害に悩むあなたへ、アシュワガンダ抽出物が効果的な自然療法になるかもしれません。

この記事では、研究に基づいてアシュワガンダがGABA作動性機構を通じて睡眠の質を改善する方法を詳しく解説します。

わたしもアシュワガンダを飲み始めてから睡眠の質が爆上がりしました。

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そもそもアシュワガンダとは

アシュワガンダ（学名：Withania somnifera Dunal）は、数千年前からインドの伝統医療『アーユルヴェーダ』において、心身のストレスに効果を発揮する薬や強壮剤、更には媚薬としても活躍してきたハーブです。

今日では様々な臨床研究を通じ、それらの効果が現代科学にて証明され注目を浴びています。

実物はナス科の常緑低木です。馬の（アシュワ）匂い（ガンダ）が名前の由来。
馬の強壮な精力にちなんだという説も。

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論文の基礎情報

今回の論文の基礎情報は下記の通りです。

今回ご紹介する論文は、「睡眠障害ラットの睡眠覚醒周期に対するWithania somnifera（アシュワガンダ）の効果： GABA作動性メカニズムの可能性（和訳）」です。

ijpsonline

Indian Journal of Pharmaceutical Sciences A bi-monthly Journal, which publishes original research works that contributes significantly to further the scientific knowledge in Pharmaceutical Sciences

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はじめに

• 睡眠障害の影響:

睡眠障害は、日常生活に悪影響を与え、ストレスや疲労の原因となる。

良質な睡眠が得られないことで、健康や仕事、人間関係にも悪影響を及ぼす可能性がある。

身に覚えのある方も多いのでは？

• アシュワガンダの研究目的:

アシュワガンダの根エキスが、睡眠障害を抱えるラットにどのような効果をもたらすかを調査。

この調査を通じて、アシュワガンダが睡眠の質を向上させる効果があるかどうかを明らかにすることを目的としている。

おなじみの「伝統医療の効能を科学で証明しようぜ！」。

実験方法

• 対象動物:

実験には、オスのウィスターラットが使用された。

ウィスターラット

実験室でよく使われるラットの品種。

医学や生物学の研究において様々な分野で利用されています。遺伝的な均一性、高い繁殖力、強い適応力、そして病気に対する抵抗力があり、研究者に好まれる動物モデルです。

The Laboratory Rat

• 睡眠剥奪方法:

ラットを24時間、水の上に設置されたグリッドにて睡眠剥奪を行った。

グリッド

金属やプラスチックで作られた格子状の構造物。

実験室で動物の行動や生理学的反応を調べるために使用されます。

今回の睡眠剥奪実験では、このグリッドの上に動物を置くことで、不安定な状況を作り出し、動物が寝付くのを防ぐ効果があります。

• アシュワガンダ抽出物の投与:

アシュワガンダ抽出物を100 mg/kgの量で、実際の記録（脳波と節電図）の30分前に腹腔内に投与した。

脳波（EEG）

脳の電気活動を記録するための非侵襲的な方法。
※非侵襲的：身体に傷害や切開を与えず、痛みや不快感を最小限に抑えた方法。

頭皮に配置された電極を通して測定されます。

筋電図（EMG）

筋肉の電気活動を記録する方法。

筋肉の近くに配置された電極を通して測定されます。

これらの技術は、睡眠研究や神経生理学的研究で広く使われています。

• 薬剤の投与:

下記の薬剤も使用し、アシュワガンダ抽出物の効果とGABA作動性機構の関与を検証するために投与された。

ピクロトキシン

神経細胞の活動を抑制するGABA受容体に対する拮抗作用を持つ化学物質。

これにより、神経細胞が興奮しやすくなるため、研究でしばしば興奮剤として使用されます。

ピクロトキシンは、研究実験において神経伝達の仕組みを調べるために利用されることが多いです。

Molecular regulation of cognitive functions and developmental plasticity: impact of GABAA receptors …

ムシモール

GABA（γ-アミノ酪酸）受容体のアゴニスト（後述）で、神経細胞の活動を抑制する効果があります。

GABAは、中枢神経系で最も一般的な抑制性神経伝達物質であり、ムシモールは主にGABA_A受容体に作用して神経伝達を調節。

研究実験では、ムシモールは抗不安薬や睡眠薬の効果を研究するために使用されることがあります。

Muscimol as an ionotropic GABA receptor agonist – PubMed

フルマゼニル

GABA受容体の対してのみ反応する薬物。

中枢神経系におけるGABAの効果を逆転させる能力があります。

抗不安薬や鎮静剤、睡眠薬の効果を打ち消すために使用されます。また、過剰な鎮静剤や睡眠薬の摂取による中毒症状の治療にも利用されます。

Selective antagonists of benzodiazepines – Nature

ちなみに、フルマゼニルのように特定の物質にのみ特異的に反応する薬剤を「アンタゴニスト」と呼びます。

• 電気生理学的記録:

下記のパラメータを電気生理学的に記録した。

実験結果

ここでは、下記の内容を解説します。

• 睡眠剥奪の影響:

24時間の睡眠剥奪により、下記の症状が発生していました。

睡眠潜時

覚醒状態から睡眠に入るまでの時間。

通常は入眠までの過程を示します。これは個人差があり、年齢やストレス、生活習慣などによって変化します。

研究において、睡眠潜時は睡眠の質や効果を評価する指標として用いられることがあります。

レム睡眠

急速眼球運動睡眠とも。

眠っている間に繰り返される睡眠のサイクルのうち、夢を見ることが最も一般的で、筋肉がほとんど動かず、目が活発に動く段階。

この睡眠段階は、脳の活動が高まり、心拍数や呼吸速度が増加することが特徴です。

ノンレム睡眠

睡眠のサイクルの大部分を占める、レム睡眠（急速眼球運動睡眠）以外の睡眠の段階。

ノンレム睡眠は、さらに3つの段階（N1、N2、およびN3）に分かれ、N1が最も浅く、N3が最も深い睡眠です。

ノンレム睡眠中は、心拍数や呼吸速度が落ち着き、体温が下がり、脳の活動も低下することが特徴。

覚醒時間

一定の期間（通常は24時間）において目が覚めている時間のこと。

これには、就寝前の覚醒時間や、睡眠中の一時的な覚醒も含まれます。

適切な覚醒時間は、健康的な睡眠サイクルを維持するために重要であり、通常は1日の大部分を占めます。

• アシュワガンダ抽出物の効果:

アシュワガンダ抽出物（100 mg/kg）を投与したラットでは、電気生理学的パラメータが有意に改善された。

• ジアゼパムの効果:

ジアゼパム（0.5 mg/kg）も電気生理学的パラメータを有意に改善した。

• 睡眠パラメータへの他の薬剤の影響:

ピクロトキシン（2 mg/kg）はアシュワガンダ抽出物の効果を逆転させ、ムスチモール（0.05 mg/kg）はその効果を増強させた。

一方、フルマゼニル（2 mg/kg）はアシュワガンダ抽出物の睡眠パラメータへの影響に有意な変化をもたらさなかった。

表にまとめるとこんな感じ。

考察

GABA作用性機構の関与

本研究では、アシュワガンダ抽出物の効果がピクロトキシンによって逆転され、ムスチモールによって増強された。

このことから、アシュワガンダの摂取がGABA作動性機構に関与・作用していることが示唆されました。

アシュワガンダの睡眠促進効果

アシュワガンダ抽出物が睡眠障害のあるラットに対して、睡眠の質を向上させる効果を示したことから、アシュワガンダは睡眠促進効果があると考えられます。

冒頭でも言いましたが、私自身がアシュワガンダのおかげで睡眠の悩みが消えました。

なので、今回の研究結果は非常に納得の行くものです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。最後に今回の記事の内容をまとめて締めたいと思います。

本研究により、アシュワガンダ抽出物が睡眠障害のあるラットの睡眠の質を改善する効果が明らかになり、その作用にGABA作動性機構が関与していることが示唆されました。

これにより、アシュワガンダは睡眠障害の自然な治療法としての可能性があることが示されました。

「睡眠の不足や質に悩んでいる、起きてもこめかみに眠気が残ってる…」という方は、ぜひ一度アシュワガンダを検討してみて下さい。

今回の記事は以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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