アシュワガンダと緑茶がスキンエイジングに与える効果: 研究で明らかになった結合親和性と抗酸化作用

早い話が「アシュワガンダ×緑茶の飲み合わせは肌に良さそう」ってことですね。

「最近、肌の老化が気になる。何か効果的な対策は？」
「アシュワガンダって聞いたことはあるけど、具体的にどんな効果がある？」
「緑茶って健康にいいって聞くけど、美容にも効果があるの？」

今回はこんな方向けの記事です。

皮膚の老化が気になり始めたと思いませんか？

アシュワガンダと緑茶の成分が、なんと皮膚の老化に効果を発揮するかもしれません。

今回ご紹介する2023年の研究によると、これらの成分がスキンエイジングに関わる酵素と高い結合親和性を示し、抗酸化作用も強化されることが明らかにされました。

この記事では、その研究結果を詳しく解説し、新しいスキンケアの可能性を探っていきます。

スキンケアに関心がある人は必見の内容です。

そもそもアシュワガンダとは

アシュワガンダ（学名：Withania somnifera Dunal）は、数千年前からインドの伝統医療『アーユルヴェーダ』において、心身のストレスに効果を発揮する薬や強壮剤、更には媚薬としても活躍してきたハーブです。

今日では様々な臨床研究を通じ、それらの効果が現代科学にて証明され注目を浴びています。

実物はナス科の常緑低木です。馬の（アシュワ）匂い（ガンダ）が名前の由来。
馬の強壮な精力にちなんだという説も。

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研究の概要

今回ご紹介する論文は、「エピガロカテキン-O-ガレート(緑茶)とウィザフェリンA(アシュワガンダ)
(アシュワガンダ)の皮膚老化関連酵素に対する効果の同時ドッキング解析(和訳)」です。

ijpsonline

Indian Journal of Pharmaceutical Sciences A bi-monthly Journal, which publishes original research works that contributes significantly to further the scientific knowledge in Pharmaceutical Sciences

研究の背景と目的

スキンエイジングに関わる酵素

皮膚の老化（スキンエイジング）は、特にコラーゲナーゼ、エラスターゼ、ヒアルロニダーゼなどの酵素によって促進されます。

これらの酵素は、皮膚の主成分であるコラーゲンやエラスチンを分解し、皮膚の弾力と潤いを失わせます。

• コラーゲナーゼ: コラーゲンの分解を促進
• エラスターゼ: エラスチンの分解を促進
• ヒアルロニダーゼ: ヒアルロン酸の分解を促進

カメリア・シネンシス（カングラ緑茶）とアシュワガンダ（Withania somnifera）の概要

カメリア・シネンシスは緑茶の原料であり、主にエピガロカテキンガレート（EGCG）という抗酸化物質が含まれています。

エピガロカテキンガレート（EGCG）

エピガロカテキンガレート（EGCG）は、緑茶に含まれる主要なカテキンの一つです。

特に抗酸化作用が強く、そのために健康に多くのメリットがあるとされています。

EGCGは、心血管疾患やがん、そして最近の研究ではスキンエイジングにも良い影響を与える可能性が指摘されています。

Beneficial effects of green tea: a literature review – PubMed

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一方、アシュワガンダは、古来よりアーユルヴェーダ医学で使用されているハーブで、ウィサフェリンAという成分が主です。

• エピガロカテキンガレート（EGCG）: 抗酸化、抗炎症作用
• ウィサフェリンA: 抗酸化、抗ストレス作用

研究の主な目的

この研究の主目的は、エピガロカテキンガレート（EGCG）とウィサフェリンAの皮膚老化に対する影響を詳細に解析することです。

特に、これらの成分が単独および組み合わせで、スキンエイジングに関連する酵素に対してどのような影響を持つのかを検討しています。

この研究の結果として期待される影響としては、新しい抗老化療法やスキンケア製品の開発が挙げられます。

例：

• 抗老化療法: 経口摂取やトピカル適用
• スキンケア製品: クリーム、ローション、サプリメント等

研究方法

分子ドッキング解析の手法

この研究では、分子ドッキング解析が主な手法として用いられました。

この解析方法では、薬物やその他の小分子がターゲットとなる生物学的分子（通常は酵素や受容体）にどのように結合するかをコンピュータ上でシミュレーションします。

• 個々の分子ドッキング: エピガロカテキンガレートとウィサフェリンAを単独で評価
• 複数リガンド同時ドッキング: 両成分を組み合わせて評価

対象となる酵素群

研究対象とした酵素群は、老化関連酵素（コラーゲナーゼ、エラスターゼ、ヒアルロニダーゼ）、抗酸化酵素（スーパーオキシドディスムターゼ、グルタチオンS-トランスフェラーゼ等）、およびミトコンドリア酵素（NADHデヒドロゲナーゼ、サクシネートデヒドロゲナーゼ等）です。

老化酵素（Aging Enzymes）

老化酵素は、細胞が老化する過程に関与する酵素です。

これらの酵素は、DNAの損傷や細胞の寿命に影響を与える可能性があります。

特に、テロメラーゼという酵素は、テロメア（染色体の端に存在するDNAの部分）の短縮を防ぐ働きをしています。

Telomere length and telomerase activity; a Yin and Yang of cell senescence – PubMed

抗酸化酵素（Antioxidant Enzymes）

抗酸化酵素は、体内で発生する有害な自由基を中和する役割を果たします。

スーパーオキシドディスムターゼ（SOD）やカタラーゼなどがあり、これらは細胞の健康を保ちます。

Alterations of antioxidant enzymes and oxidative stress markers in aging – PubMed

ミトコンドリア酵素（Mitochondrial Enzymes）

ミトコンドリア酵素は、細胞のエネルギー工場であるミトコンドリアで活動する酵素です。

これらの酵素は、細胞呼吸に必要な反応を促進し、エネルギーを生成します。

Mitochondrial enzymes increase in muscle in response to 7-10 days of cycle exercise – PubMed

使用したソフトウェアとモデル

解析には複数のソフトウェアが用いられました。

特にData Warrior、Molsoft、そしてSwissADME（boiled egg model）が酵素とリガンドの物理化学的性質を評価するために使用されました。

• Data Warrior: ドラッグライクネスの評価
• Molsoft: 物理化学的プロパティの解析
• SwissADME（boiled egg model）: 人体での吸収性の評価

使用したソフトウェアとその目的

参考文献:

研究結果

エピガロカテキンガレート（EGCG）とウィサフェリンAの結合親和性

この研究で明らかにされた一つの主要な点は、エピガロカテキンガレート（EGCG）とウィサフェリンAが、スキンエイジングに関連する各種酵素に対して高い結合親和性を持つことです。

結合親和性

結合親和性とは、特定の物質がターゲットとなる分子（たとえば酵素や受容体）にどれだけ強く結合するかを示す数値です。

高い結合親和性は、その物質がターゲットと強く結合し、効果を発揮する可能性が高いということを意味します。

• EGCG単独: 老化関連酵素と抗酸化酵素に対して一定の親和性
• ウィサフェリンA単独: 同様に一定の親和性を示す
• EGCGとウィサフェリンAの組み合わせ: 単独よりも高い結合親和性

個々で運用するよりも、併用した場合に効果が圧倒的に向上したということですね。

結合エネルギーと相互作用する残基

研究結果によると、エピガロカテキンガレートとウィサフェリンAの結合エネルギーが非常に低く、高い結合親和性を持つことが確認されました。

結合エネルギー（Binding Energy）

結合エネルギーとは、二つの分子が結合する際に必要なエネルギー、または解離する際に解放されるエネルギーのことを指します。

この値が小さいと、分子間の結合は弱いとされます。

逆にこの値が大きいと、分子間の結合は強いと解釈されます。

また、特定の相互作用する残基が結合の安定性に影響を与えています。

残基

残基（レジデュー）とは、タンパク質やポリペプチドチェーンを構成するアミノ酸の一部分です。

具体的には、水分解反応などで連結部分が分解された後に残るアミノ酸のことを指します。

これがタンパク質の機能や形状に大きく影響を与える要素となります。

Page not available – PMC

コラーゲナーゼ活性に対する影響

試験管内での分析結果によると、エピガロカテキンガレートとウィサフェリンAの組み合わせは、コラーゲナーゼの活性を1.5倍以上抑制したと報告されています。

• ビタミンC（アスコルビン酸）: コラーゲナーゼの一般的な基準として用いられる指標。
• EGCG+ウィサフェリンA: 1.5倍以上の抑制効果

エピガロカテキンガレートとウィサフェリンAの組み合わせの効果

最も注目すべきは、エピガロカテキンガレートとウィサフェリンAが組み合わされることで、単独よりも効果が増幅された点です。

特に老化関連酵素と抗酸化酵素に対して、この組み合わせは非常に有望な結果を示しました。

• 老化の抑制: 組み合わせにより、老化に関わる酵素の活性が抑制
• 抗酸化効果の増強: 自由基を中和する酵素の活性が向上

研究の影響と今後の展望

スキンエイジングに対する潜在的な阻害作用

この研究により、エピガロカテキンガレートとウィサフェリンAの組み合わせがスキンエイジングの阻害に非常に有望であることが示されました。

スキンエイジングの阻害に有効＝スキンケアに有効とも言えますね。

特にコラーゲナーゼという酵素に対する活性抑制が顕著であり、この点が皮膚の老化を遅らせる鍵となる可能性があります。

• 老化阻害の新たな選択肢: 従来のスキンケア製品や治療法に新しいアプローチとして加える可能性
• アシュワガンダの摂取: この研究結果を踏まえ、アシュワガンダの摂取もスキンエイジング阻害に寄与すると考えられます。

抗酸化酵素に対する効果

エピガロカテキンガレートとウィサフェリンAの組み合わせは、抗酸化酵素に対しても強い効果を示しました。

これにより、細胞の酸化ストレスが減少し、皮膚の健康が維持される可能性が高まります。

• 抗酸化効果の強化: 従来の抗酸化成分と組み合わせることでさらに効果を高める可能性
• 広範な応用: 他の皮膚疾患に対する治療方法としても応用が考えられます。

今後の研究方向と実験的検証の必要性

この研究は非常に有望な結果を出していますが、まだ試験管内での実験段階です。

今後は臨床試験を行って、その効果を人間で確認する必要があります。

• 臨床試験の実施: 研究結果の信頼性と実用性を確かめるため
• 効果量と安全性の評価: 長期間の使用においても安全であるか、効果が持続するかも確認が必要

まとめ

いかがでしたでしょうか。最後に今回の記事の内容をまとめて締めたいと思います。

研究の主要な発見

この研究によって、エピガロカテキンガレート（EGCG）とウィサフェリンAは、スキンエイジング関連酵素と抗酸化酵素に対して高い結合親和性を持つことが明らかになりました。

特に、これら二つの成分が組み合わさることで、その効果はさらに高まる可能性が示唆されました。

• 結合エネルギー: EGCGとウィサフェリンAの組み合わせは、単独成分よりも低い結合エネルギーを示し、高い結合親和性を持つ。

アシュワガンダと緑茶の組み合わせの潜在的な利点

この組み合わせは、皮膚の老化を阻止するだけでなく、抗酸化作用も強化する可能性があります。

この点で、アシュワガンダの摂取が一層重要になります。

• アシュワガンダの摂取: スキンケアだけでなく、全身の抗酸化作用を高める可能性があります。

一般的な健康への影響

この研究が示すように、EGCGとウィサフェリンAの組み合わせは、皮膚の健康だけでなく、一般的な健康にも良い影響を与える可能性があります。

抗酸化酵素へのポジティブな効果は、老化の進行を遅らせ、様々な疾患のリスクを低減させるかもしれません。

今回の記事は以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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