この記事のネタバレ
- 元ネタは「超ストレス解消法」という書籍へのAmazonレビュー「アシュワガンダなんてやばいもんを紹介している」
- 「アシュワガンダは精神薬ベンゾジアゼピンの離脱症状と同等の症状を引き起こす」と記載
- 5-6%くらいの人がからだに合わないのは事実。ただ健康被害が出るほどやばくないから大丈夫。
※結論から言うとべつにやばくないです!
「アシュワガンダで検索したらサジェストに”やばい”とでた」
「アシュワガンダって離脱症状あるの?危険性は?」
「アシュワガンダに興味あるけどなんだか不穏なオーラもあるので不安」
アシュワガンダに興味を持った人は、ほぼ必ずサジェスト検索に「やばい」と表示され、上記のレビューを見たことがあると思います。
そこで今回はなんでこんな話になっているのか?のそもそもの元ネタの紹介と検証をしていきたいと思います。
今回の記事を読めば、下記のことがわかって、アシュワガンダの摂取をするかしないかの判断材料にできると思いますので、ぜひ最後まで読んでみてください!
そもそもアシュワガンダとは
アシュワガンダ(学名:Withania somnifera Dunal)は、数千年前からインドの伝統医療『アーユルヴェーダ』において、心身のストレスに効果を発揮する薬や強壮剤、更には媚薬としても活躍してきたハーブです。
今日では様々な臨床研究を通じ、それらの効果が現代科学にて証明され注目を浴びています。
実物はナス科の常緑低木です。馬の(アシュワ)匂い(ガンダ)が名前の由来。
馬の強壮な精力にちなんだという説も。
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もともとは「超ストレス解消法」という書籍へのAmazonレビュー
改めて「アシュワガンダ やばい」で検索すると表示されるAmazonレビューを見てみましょう。
精神薬ベンゾジアゼピンの離脱と同等の症状を引き起こすヤバイものも統計引っ張ってきて紹介している。
まぁ人によっては離脱が起きない人もいるかもしれないからとりあえずかたっぱしから紹介したいのだろうけども、そうなるとなんでもアリになってしまい、少し注意書きをしたほうがいいと思った。
情報は時にそのまま自分の首をしめることにもなる、もうこれに頼るしかないと思っても事前の調査と離脱や副作用には気を付けながらサプリメントなどを摂取しよう
アシュワガンダなんてやばいもんを紹介している
該当のページは、「超ストレス解消 イライラが一瞬で消える100の科学的メソッド 鈴木祐」という書籍の116p-117p、アシュワガンダに関する項目について述べたものだと思われます。
下記に該当のページのアシュワガンダの紹介文を引用させていただきます。
アシュワガンダは、アーユルヴェーダの世界などでは昔から有名なハーブで、不安やストレス対策などに広く使われてきました。
その効能には長らく賛否がありましたが、2014年にアップスメート・メディカル大学が大規模なメタ分析を行い、信頼度の高い報告を行っています(参考)。
これは5件の臨床データをまとめて大きな見解を出したもので、結論は以下のようなものでした。
・1日に約300mgのアシュワガンダを飲み続けると、不安レベルが30.5%減り、ストレスレベルが44%減る
どうやら、日常的にストレスが多い人にほど、アシュワガンダが効果を発揮してくれそうです。
この他にもアシュワガンダには興味深いデータが多く、1日に125mg~500mgを60日間飲んだ男女の幸福度が上がったり(参考)、1日300mgを8週間飲んだらモチベーション改善がみられたりといった報告が出ています(参考)。
これらの結果はまだ追試で確認されたわけではありませんが、アシュワガンダが総合的にメンタルへ良い影響をもたらす可能性は高そうです。
適切な用量は1日300mgから。自分の体調と相談しつつ、上限が1日600mgを越えないように注意してください。
超ストレス解消 イライラが一瞬で消える100の科学的メソッド 鈴木祐
個人的には実験論文の結果にもとづいた丁寧な解説だと思います。
これについて「アシュワガンダなんてやばいもんを紹介してる」と反応しているのが該当のレビューです。
先術のとおり、アシュワガンダでも、身体に合わない人・体調不良につながってしまう人は一定の割合で”います”。
しかし、「アシュワガンダなんてやばいもんを紹介してる」と表現するほど危険なものでしょうか?
ここからはレビューの内容をひとつひとつ区切って解説していきたいと思います。
「精神薬ベンゾジアゼピンの離脱と同等の症状を引き起こすヤバイもの」
精神薬ベンゾジアゼピンの離脱と同等の症状を引き起こすヤバイものも統計引っ張ってきて紹介している。
アシュワガンダなんてやばいもんを紹介している
「離脱症状を起こす」とは書いていないですね。「ベンゾジアゼピンの離脱と”同等の症状”」と書いてあります。
wikipediaによると、ベンゾジアゼピン離脱症状は下記のように説明されています。
ベンゾジアゼピン離脱症候群(ベンゾジアゼピンりだつしょうこうぐん、Benzodiazepine withdrawal syndrome)は、ベンゾジアゼピン系薬の服用により身体的依存が形成されてから、用量を減量するか、断薬することによって生じる一連の離脱症状
ベンゾジアゼピン離脱症候群 – Wikipedia
ベンゾジアゼピン系薬は不安症やストレスを緩和してくれる薬です。
ただし、一定以上依存すると服用を止めたときに離脱症状が出てしまいます。
では、具体的にどのような症状が起きるのか見てみましょう。
ベンゾジアゼピンの離脱症の主な症状
怖い症状が並んでいますね。
というか、本当にこんな症状が普通に出るサプリがあったら世界中で販売停止されているとおもいます。
※日本では医薬品扱いなので取り扱いなし。
先に言っておくと、アシュワガンダを飲んで頭痛や吐き気などが出る方は実際に“一定数”いらっしゃいます。
前述のとおり、サプリメントなので身体に合う合わないがあったり、たくさん飲めばいいだろうと用法用量をまもらない方もいらっしゃるためです。
ただ、発生割合自体は少ないと言っていいレベル。
発生したとしても重度な不調はまずおきません。
ここでは例としてiHerbにて販売中のジャロウフォーミュラズ社製アシュワガンダのレビューを例にします。
基本的には高評価ですが、星1や2のレビューもそれぞれ3%、合計で6%存在。
いくつか低評価レビューを見てみましょう。
①
残念ながら他の方のレビューにあるような効果は全く得られませんでした。 最初のうちは飲むと胸や足が熱くなるというか違和感が出て、余計不安になる感じでしたが期待して飲み続けたもののなんら効果を感じることができませんでした。 合う合わないがあるんでしょうね。②
私には合わなかった。これを服用することで焦燥感が増し、余計にイライラした。③
カスタマーレビュー-iHerb
就寝前に飲んだところ焦燥感のようなものが感じられるようになり中々寝られなくなりました。その後軟便でトイレへ。後日、昼間にトライしても同じような状態になったので服用をやめることにしました。
このように、どの商品も5~6%程度、効果がなかった、もしくは気分が悪くなったという方は一定数存在します。
逆に言えば、94%の人は普通以上に満足しているとも言えるでしょう。
試しに管理人は1800mg(推奨量の3倍)を1週間続けてみましたが、その間にこれといった異常や不調は発生しませんでした。
しいていうなら、夜に眠気がいつもよりガッツリ来て、睡眠が深くなった結果が、逆に5~6時間程度で自然に起きてしまうくらいです。
これらのことから、アシュワガンダを「精神薬ベンゾジアゼピンの離脱と同等の症状を引き起こすヤバイもの」と表現するのは不適切ではないかなと思います。
「統計引っ張ってきて紹介している。」
精神薬ベンゾジアゼピンの離脱と同等の症状を引き起こすヤバイものも統計引っ張ってきて紹介している。
アシュワガンダなんてやばいもんを紹介している
「統計引っ張ってきて紹介している。」とのことですが、サプリメントや栄養素の効果について統計や研究論文を引用するのは一般的なことです。
●該当の引用元:タイトルは日本語訳
- 不安神経症の代替治療:アーユルヴェーダハーブアシュワガンダ(Withaniasomnifera)について報告されたヒト試験結果の系統的レビュー
- 不安に対する自然療法的ケア:ランダム化比較試験ISRCTN78958974
- 標準化されたWithaniaSomnifera抽出物は、慢性的にストレスを受けたヒトのストレス関連パラメーターを大幅に減少させます:二重盲検、無作為化、プラセボ対照試験
ちなみに、上記を含め、「超ストレス解消法」で引用している論文は査読論文(第三者の専門家がチェックしている論文)であり、信用性は高いと判断していいでしょう。
査読付き論文というやつですね。
ですので、「かたっぱしから紹介したい」「なんでもアリ」なのではなく、ちゃんとした研究のもと集められた情報・手法であるとみるのが自然だとおもいます。
「人によっては離脱が起きない人もいるかもしれないから」
まぁ人によっては離脱が起きない人もいるかもしれないからとりあえずかたっぱしから紹介したいのだろうけども、そうなるとなんでもアリになってしまい、少し注意書きをしたほうがいいと思った。
アシュワガンダなんてやばいもんを紹介している
「起きない人もいるかもしれない」と書かれています。
つまり、「アシュワガンダを飲むと離脱症状と同等の症状が起きるのが普通」だということです。
ですが、前述の通りアシュワガンダを摂取した人で低評価をつけたのは全体の6%程度。
もっというなら、低評価の内容も体調不良ではなく「単純に効果を感じなかった」というパターンも多数。
逆に離脱症状を訴えるような内容のレビューは見当たりません。
↓にレビューのリンクを貼るので、ぜひご自身の目で確認してみてください。
この結果を踏まえると、「離脱症状・もしくは離脱症状と同等の症状が出るのが普通」としている該当のレビューは不適切だと思います。
「少し注意書きをしたほうがいいと思った。」
まぁ人によっては離脱が起きない人もいるかもしれないからとりあえずかたっぱしから紹介したいのだろうけども、そうなるとなんでもアリになってしまい、少し注意書きをしたほうがいいと思った。
アシュワガンダなんてやばいもんを紹介している
注意書きしてあるから大丈夫です!
適切な容量は1日300mgから。自分の体調と相談しつつ、上限が1日600mgを越えないように注意してください。
超ストレス解消 イライラが一瞬で消える100の科学的メソッド 鈴木祐
当サイトやいくつかのメーカーでは900~1200mgくらいを目安と紹介してますので、ちょっと少ないくらいですね。
メーカー推奨では900〜1200mg位なのに対し、本書では600mgを上限と記載。
低リスクな紹介だと言えます。
「情報は時にそのまま自分の首をしめることにもなる」
情報は時にそのまま自分の首をしめることにもなる、もうこれに頼るしかないと思っても事前の調査と離脱や副作用には気を付けながらサプリメントなどを摂取しよう
アシュワガンダなんてやばいもんを紹介している
これはそのとおり。同意見です。
「もうこれに頼るしかないと思っても」
情報は時にそのまま自分の首をしめることにもなる、もうこれに頼るしかないと思っても事前の調査と離脱や副作用には気を付けながらサプリメントなどを摂取しよう
アシュワガンダなんてやばいもんを紹介している
本書の読者は「もうこれに頼るしかない」という状況を心配する必要がありません。
この「超ストレス解消法 イライラが一瞬で消える100の科学的メソッド」には、ストレス解消法がタイトルの通り100種類のっています。
アシュワガンダを摂取する以外の方法が99種類あるわけですね。
しかもハーバードやスタンフォード、ケンブリッジ大学の研究で効果が実証されたものばかりです。
そのジャンル・アプローチ方法も豊富で、思考法やライフスタイル、栄養素と多方面にわたります。
この中から自分がやりやすいものを選べば十分なので、「もうこれに頼るしかない」とはなりにくいでしょう。
「事前の調査と離脱や副作用には気を付けながらサプリメントなどを摂取しよう」
情報は時にそのまま自分の首をしめることにもなる、もうこれに頼るしかないと思っても事前の調査と離脱や副作用には気を付けながらサプリメントなどを摂取しよう
アシュワガンダなんてやばいもんを紹介している
これもそのとおり。
しっかり調べた上で、用法用量を守れば多くの場合は大丈夫です。
まとめ:アシュワガンダは別にやばくないのでは
いかがでしたでしょうか。
重ねて言いますがアシュワガンダを飲んで体調不良がおきる体質の方は一定数いますし、それはどんなサプリメントでも同じ。
ただ、該当のレビューで言われているような内容の症状が重度かつ高頻度で起きるかというとそんなことはありません。
そのようなケースが頻発しているとするなら、KSM-66アシュワガンダ一本で勝負しているIxoreal Biomedが80年以上存続したり、年間3億2000万ドルの収益を上げたりするのは不可能だと思います。
さらに言えば、本当にヤバければアシュワガンダがインドの伝統医療「アーユルヴェーダ」で1000年以上昔から使用されているわけがないですし、いま世界中で流通しているはずもありません。
もし「アシュワガンダに興味があるけど、やばいってなに?こわい・・・」という方がいらっしゃいましたら、今回の記事を参考にしていただければと思います。
それでは今回の記事は以上です。長い記事でしたが最後まで読んでいただきありがとうございました!
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