この記事のネタバレ:アシュワガンダで向上する有酸素運動に関わる要素
- 最大有酸素能力(VO2 max)
- METs
- 呼吸交換比(RER)
- 疲労段階に達するまでの総時間
「アシュワガンダって有酸素運動に効く?」
「持久力に効くサプリを探している」
「アシュワガンダが心肺機能の向上に効くって聞いたけどほんと?」
この記事を読めば、アシュワガンダがインドのエリートサイクリストVO2max(最大酸素摂取量)を向上=心肺機能を向上させた研究のことがバッチリわかります。
「VO2max(最大酸素摂取量)ってなに?」という方も、ちゃんと解説しますのでご安心ください。
そもそもアシュワガンダとは
アシュワガンダ(学名:Withania somnifera Dunal)は、数千年前からインドの伝統医療『アーユルヴェーダ』において、心身のストレスに効果を発揮する薬や強壮剤、更には媚薬としても活躍してきたハーブです。
今日では様々な臨床研究を通じ、それらの効果が現代科学にて証明され注目を浴びています。
実物はナス科の常緑低木です。馬の(アシュワ)匂い(ガンダ)が名前の由来。
馬の強壮な精力にちなんだという説も。
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研究の内容:インドのエリートサイクリストの心肺持久力=有酸素運動能力に対するアシュワガンダの効果の調査
今回ご紹介するのは2012年に発表された「Effects of eight-week supplementation of Ashwagandha on cardiorespiratory endurance in elite Indian cyclists.(訳:インドのエリートサイクリストにおける心肺持久力に対するアシュワガンダの8週間の補給の効果)」という研究です。
この研究では、まずインドのエリートサイクリスト40名をアシュワガンダ組とプラセボ組にランダムに分割。
その後、1日2回、8週間の投与を実施。
ここでいうエリートとは、少なくとも州レベルの大会に参加している選手を指しています。
実験の開始時と8週間後にそれぞれトレッドミル試験を行い、その成績・変化を比較します。
下記の4点を通して、有酸素能力を測定します。
測定内容
- 最大有酸素能力(VO2 max)
- METs
- 呼吸交換比(RER)
- 疲労段階に達するまでの総時間
先にネタバレすると、今回の実験で上記全てが向上しました。
最大有酸素能力(VO2 max)、METs、呼吸交換比(RER)について、次項で簡単に解説します。
VO2max(最大有酸素能力)
体力の構成要素のうち全身持久力の指標です。運動中に体内(ミトコンドリア)に取込まれる酸素の最大量を示し、有酸素性能力や有酸素性パワーとも呼ばれています。
最大酸素摂取量 / VO2max | e-ヘルスネット(厚生労働省)
VO2maxとは、全力で運動したときに体が消費する酸素の量(体積)のことです。
酸素をたくさん吸えば吸うほど、体が使えるエネルギーは増えます。
そのため、一般的にVO2maxが高いほど、身体的なフィットネスが優れていることを意味します。
参考までに、上記のサイトによると、男性30歳の平均値は、40ml/kg/min程度。
エリート長距離選手の最大酸素摂取量は90ml/kg/min程度とのことです。
METs
METsとは、安静に座っている状態を1METとして、様々な活動がその何倍のエネルギーを消費するか示した活動強度の指標です。
METsとは? – 松本協立病院
1メッツは、安静にしているときのエネルギー、つまり安静時代謝率または基礎代謝率に相当します。
つまり、MET値が4の運動は、じっとしているときの4倍のエネルギーを消費しているということですね。
例を出すと、時速5kmくらいの早歩きは4メッツ程度。
もっと激しい運動である縄跳びは、12.3メッツと言われています。
呼吸交換比(PER)
(訳)RERとは、ある運動強度で消費する酸素の量に対して吐き出す二酸化炭素の量の比のことです。
Understanding VO2 Max Part 2: What Does Your VO2 Max Number Tell You?
RERが低いほど、放出される二酸化炭素に対してより多くの酸素が消費され、それによって炭水化物(限られた燃料源)よりも脂肪(ほぼ無限の燃料源)がより多く分解されていることを意味します。
PERが低ければ低いほど脂肪がより多く消費されるということですね。
糖分はすぐに無くなってしまいますが、脂肪分はなかなか無くなりません。
そのため、PERが低いほど長時間運動が出来ると考えられます。
研究の結果:アシュワガンダはエリートアスリートの心肺持久力を向上
結論から言うと、アシュワガンダはエリートサイクリスト達の有酸素運動の能力を向上させました。
(和訳)実験グループでは、すべてのパラメータで有意な改善が見られたが、プラセボグループでは、ベースラインのパラメータに関して変化が見られなかった。VO2 max (t = 5.356; P < 0.001), METS (t = 4.483; P < 0.001), and time for exhaustion on treadmill (t = 4.813; P < 0.001) というすべてのパラメータにおいて、実験グループでは、プラセボグループがベースラインパラメータと比較して、有意な改善がみられた。
Effects of eight-week supplementation of Ashwagandha on cardiorespiratory endurance in elite Indian cyclists
8週間の投与を通じ、有意な変化のなかったプラセボグループと比較し、アシュワガンダグループは、最大有酸素能力(VO2 max)、METs、呼吸交換比(RER)、疲労段階に達するまでの総時間といった全ての項目で明確な向上が見られました。
一般人だけでなく、既に鍛え上げられているトップクラスの選手の能力をも更に向上させたというのがポイント。
同様の結果が出ているその他の研究
今回の実験以外でアシュワガンダが有酸素運動の能力を向上させたという結果が見たい方はこちら。
訳:アシュワガンダ根粉末の補給がホッケー選手のVo2MAX、ヘモグロビンに及ぼす影響 ホッケー選手のヘモグロビンに及ぼす影響
訳:健康な若年成人におけるアシュワガンダ およびヒメジョオンの身体能力および心肺持久力への影響について
訳:アシュワガンダの健常者における心肺持久力(VO2 max テスト)向上に関する有効性
まとめ:アシュワガンダでVO2MAXは向上する
いかがでしたでしょうか。
今回は、アシュワガンダがインドのエリートサイクリスト選手のVO2MAXを向上させた研究結果をご紹介しました。
まとめ:アシュワガンダで向上した有酸素運動の能力
- 最大有酸素能力(VO2 max)
- METs
- 呼吸交換比(RER)
- 疲労段階に達するまでの総時間
改めて、一般人だけでなく鍛え上げたエリートアスリートの心肺機能を更に引き上げるという点に注目。
もちろん一般の方や趣味でトレーニングを行っている人にも有用であると捉えていいでしょう。
アシュワガンダを摂取することで、普通の人よりもより強靭な心肺機能を手に入れることが出来るかもしれません。
ぜひご検討してみてください。
最後まで読んでくれてありがとうございました!
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