【睡眠の質も改善】アシュワガンダでストレス緩和！効果的な摂取量は600mg/日

「最近ストレスがたまってるんだよね…」

「寝つきが悪くて、睡眠の質が気になる。」

「自然な方法でストレスと向き合いたい。」

今回は、こういった人達がアシュワガンダでストレスと上手に向き合えるようにという研究記事です。

アシュワガンダでストレス軽減、睡眠の質の改善が期待できる効果が、科学的研究で証明されました。

例えば職場で理不尽な思いをしてストレスを抱えている方、もしかしたらその辛さを軽減できるかもしれません。

そもそもアシュワガンダとは

アシュワガンダ（学名：Withania somnifera Dunal）は、数千年前からインドの伝統医療『アーユルヴェーダ』において、心身のストレスに効果を発揮する薬や強壮剤、更には媚薬としても活躍してきたハーブです。

今日では様々な臨床研究を通じ、それらの効果が現代科学にて証明され注目を浴びています。

実物はナス科の常緑低木です。馬の（アシュワ）匂い（ガンダ）が名前の由来。
馬の強壮な精力にちなんだという説も。

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論文の基礎情報

今回の論文の基礎情報は下記の通りです。

今回ご紹介する論文は、「健康な成人におけるアシュワガンダのアダプトジェニック効果および抗不安効果： 二重盲検無作為化プラセボ対照臨床試験（和訳）」です。

PubMed

Adaptogenic and Anxiolytic Effects of Ashwagandha Root Extract in Healthy Adults: A Double-blind, Ra… Background Stress, anxiety and impeded sleep are a frequent feature of life in modern societies. Across socio-economic strata, stress, anxiety and ineffective s…

論文の基礎情報はこちら。

はじめに：研究の背景

まず、今回の研究の背景を解説します。

ストレス、不安、睡眠の問題

現代社会では、ストレスや不安、睡眠の質の低下が多くの人に悩みとなっています。

これらの問題は健康に悪影響を与え、さまざまな病気の原因となります。

アシュワガンダの利用

アシュワガンダ（Withania somnifera）は、ストレスや不安を緩和し、健康を向上させるために使用されることがあるアーユルヴェーダの適応力を持つハーブです。

おなじみの「伝統医療の効能を科学で証明しようぜ！」。

本研究の目的

本研究では、高濃度のアシュワガンダ根エキスを使用し、その投与量を変化させてストレス耐性に対する効果を調べる初めての研究です。

この研究により、高濃度の根エキスの投与量と効果の関係が明らかになることを目指しています。

研究方法

試験デザイン

本研究は、二重盲検、無作為化、プラセボ対照試験で行われました。

二重盲検

二重盲検（ダブルブラインド）とは、治療法や薬物の効果を評価する際に行われる研究方法で、被験者と研究者の両方が、どの被験者が実験群でどの被験者が対照群に属しているかを知らない状態で行われる。

これにより、研究結果に対する偏りや主観的判断が排除される。

CONSORT 2010 Statement: updated guidelines for reporting parallel group randomised trials

無作為化

無作為化（ランダム化）とは、研究参加者を実験群と対照群に分ける際に、偏りを避けるために行われる方法。

無作為にグループに割り当てることで、研究結果に影響を与える可能性のある他の要因を均等に分散させ、結果の信頼性を高めます。

Page not available – PMC

プラセボ対照

プラセボ対照とは、医学研究や臨床試験で、新薬や治療法の効果を評価するために行われる方法。

実際の治療と同様の見た目や手順を持つが、治療効果のないプラセボ（偽薬）を使用します。

プラセボ対照を用いることで、実際の治療効果とプラセボ効果（患者が効果があると信じることで得られる心理的な効果）を区別することが可能。

https://global.oup.com/academic/product/placebo-effects-9780198705086?cc=jp&lang=en&

つまり「二重盲検、無作為化、プラセボ対照試験」というのは下記のような実験です。

これにより、客観的で信頼性の高い結果が得られます。

参加者

対象は、ストレスを感じる健康な成人60名です。

男女ともに含まれています。

アシュワガンダ根エキスの投与

参加者は、アシュワガンダ根エキス125 mg、アシュワガンダ根エキス300 mg、またはプラセボを1日2回、8週間服用しました。

1日2回なので、計300mg/日と計600mg/日のチームがあるということですね。

評価指標

ストレスは、PSS（Perceived Stress Scale）スコアで評価され、不安はHAM-A（Hamilton Anxiety）スケールで評価されました。

PSS（Perceived Stress Scale）スコア

知覚ストレス尺度（PSS）は、どの程度ストレスを感じているかを測定する心理学的なツールです。

過去1か月間のストレスの程度を評価し、0〜40の範囲でスコア化します。

高いスコアほどストレスが高いことを示し、ストレスによる健康リスクが増加する可能性があります。

この尺度は、個人のストレス対処能力を向上させるための治療やアプローチの指針として使用されます。

JSTOR: Access Check

HAM-A（Hamilton Anxiety）スケール

ハミルトン不安尺度（HAM-A）は、不安の程度を評価するために使用される心理学的なツールです。

14の項目で構成されており、それぞれの項目は0から4の範囲で評価されます。

最大スコアは56で、高いスコアほど不安の程度が高いことを示します。

HAM-Aは、不安障害の診断や治療の効果を評価するために広く使用されています。

The assessment of anxiety states by rating – PubMed

また、血清コルチゾールの測定と、7段階の睡眠スケールを用いた睡眠の質の評価も行われました。

研究結果

PSSスコアの減少

アシュワガンダを1日に250 mg投与した群では、PSSスコアが有意に減少しました（p < 0.05）。

また、1日に600 mg投与した群でも、PSSスコアが有意に減少しました（p < 0.001）。

血清コルチゾールの減少

アシュワガンダを1日に250 mg投与した群で血清コルチゾルが有意に減少しました（p < 0.05）。

さらに、1日に600 mg投与した群でも、血清コルチゾールが有意に減少しました（p < 0.0001）。

睡眠の質の改善

アシュワガンダを投与した参加者は、プラセボ群と比較して睡眠の質が有意に改善されました。

上記の結果を表にまとめるとこのようになります。

アシュワガンダの両方の投与量がプラセボに比べてストレス、コルチゾール、および睡眠の質に有意な効果を示しましたが、不安に関しては600 mg/日の投与量のみが有意な効果があることがわかりました。

また、600 mg/日の投与量が250 mg/日の投与量よりも全体的に効果的であることが示されました。

結論

アシュワガンダの効果: ストレスと不安の軽減

この論文によると、アシュワガンダ根水性エキスはストレスと不安を軽減する効果があり、その結果、睡眠の質も向上することが示されました。

まとめ：アシュワガンダでストレスと不安の軽減・睡眠の質を改善

いかがでしたでしょうか。最後に今回の記事の内容をまとめて締めたいと思います。

今回の記事は以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました。 それでは。

FAQ

アシュワガンダはストレスと不安に効果があるのか？

はい、アシュワガンダはストレスと不安を軽減する効果があります。

どのような研究が行われたのか？

大人のストレスと不安に対するアシュワガンダの効果と安全性を調べるため、60人の被験者を対象にプラセボとアシュワガンダ250mg、600mgを用いた8週間の研究が行われました。

研究結果具体的な数値はどうだったのか？

アシュワガンダ250mgと600mgの両方のグループで、ストレス、不安、睡眠の質が改善し、副作用も報告されませんでした。以下に数値を示します。

表1: ストレス軽減（PSSスコア）

グループ	8週間後の平均スコア
アシュワガンダ250mg	15.00
アシュワガンダ600mg	14.15
プラセボ	16.63

表2: 不安軽減（HAM-Aスコア）

グループ	8週間後の平均スコア
アシュワガンダ250mg	20.05
アシュワガンダ600mg	20.15
プラセボ	21.42

表3: 睡眠の質改善

グループ	8週間後の平均スコア
アシュワガンダ250mg	3.79
アシュワガンダ600mg	3.05
プラセボ	4.89

どの用量が最も効果的だったのか？

アシュワガンダ600mgの方が250mgよりも効果的でした。

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