「サポニンの効果が知りたい!」
「サポニンの脂肪燃焼効果のメカニズムが知りたい」
「サポニンが含まれる食材が知りたい!」
今回はこういった方々のために、サポニンの情報をまとめてみました。
この記事を読めば「名前ぐらいは聞いたことあるけど、サポニンってぶっちゃけなに?」という疑問がバッチリ解消します。
ぜひ最後まで読んでみてください。
サポニンとはそもそもなにか
サポニンとは、一言でいえば、「糖とサポゲニンの配糖体の総称」です。
…と言われても「糖はわかるけど、サポゲニンと配糖体がわからん」という人が多いですよね?解説します。
■配糖体とは
サポニン (saponin) は、サポゲニンと糖から構成される配糖体の総称である。
水に混ぜると溶解し、振り混ぜると石鹸のように泡が立つなどの界面活性作用を示す。
サポニン – Wikipedia
要するに「糖+サポゲニン=配糖体」と思えばOK。
逆に、サポゲニンは「配糖体から糖を引いた部分のこと」でOK。
ちなみに、サポゲニンはいくつか種類があります。どんなサポゲニンと糖がくっつくかで細かい違いは出てきますが、まとめて「サポニン」と総称でよばれることが一般的。
このとき、くっつくサポゲニンの種類で、出来上がるサポニンも変わります。
複数あるサポニンがそれぞれ少しづつ効果が違うのはこのため。
毒性があるものを特に「サポトキシン」とよんだりします。
泡立つサポニン
実は、サポニンの名前の由来はシャボン(石鹸)で、その名の通り石鹸のように泡立つ性質(界面活性作用)があります。
抹茶が泡立ったり、大豆やあずきを煮ると泡が出てくるのもサポニンの性質(参考)。
身近な例だとペットボトルの緑茶をブンブンふってもシュワシュワします。あれもサポニン。
ちなみにこの性質は日本でも平安時代から知られており、サポニンを多く含む「ムクロジ(参考)」や「サイカチ(参考)」がシャンプー代わりに使用されていました。
あくまでも石鹸に性質が似ているというだけで、石鹸とはまったく別の物質なので身体に入れても問題ありません。
サポニンの効果 8選
早速、サポニンの効果をみてみましょう。
先述の通り、サポニンも複数種類があるため、全部が完璧に当てはまるわけではないことをご了承ください。
サポニンの効果 8選
体脂肪の管理を筆頭に、サポニンには様々な効果が存在します。
免疫力への効果も高く、体内のT細胞を活性化し、がん細胞やウィルスを殺傷。
ダイエットについても、「善玉のコレステロールの量を維持したまま悪玉の量を減らした」という研究結果もあり見逃せません。
では、これらの素晴らしい効果をもつサポニンを摂取できる食材をみていきましょう。
サポニンを含む食材・サプリ
先述の通り、サポニンは血管の拡張作用を中心に幅広い効用が見込めます。
緑茶や大豆・納豆が身近で手軽な摂取方法。
もちろんアシュワガンダもおすすめ!
特に緑茶はペットボトルでも構わないので、普段の生活習慣に取り入れやすいです。
その他、サポニンを含む食材やサプリメントをまとめました。参考にしてみてください。
いくつか挙げましたが、一番手っ取り早いのは先述の通り納豆、または緑茶で決まりでしょう。
オーツ米やキヌア、アマランサスは市販の五穀米や十六穀米などに含まれています。
次点でアシュワガンダ。サポニン以外にも様々な有効成分が含有で、当サイトでもイチオシです。
サポニンがダイエットに有効な理由3つ
さて、数あるサポニンの効能の中でも管理人が注目するのは体脂肪率・コレステロールの低下によるダイエットへの貢献度(参考)。
サポニンまたはサポニン含有抽出物の、抗肥満に関する論文はなんと40本以上。
もちろん、前述の通り「サポニン」といっても様々な種類が存在するので、前述した食材をバランスよく取るのがおすすめ。
それらの論文をチェックしてみたところ、サポニンのダイエット効果はだいたい下の3つに集約できます。
それではひとつずつ見ていきましょう。
膵リパーゼ活性阻害
まず、サポニンのリパーゼ活性阻害効果から。
オックスフォード大学の研究では、サポニンにリパーゼの活性化を阻害する効果があることがわかっています。
ちなみに「リパーゼ」とは「中性脂肪」を「脂肪酸」と「グリセリン」という2つの物質に加水分解する酵素のことをさします。
「中世脂肪を分解してくれる=いいことじゃないの?その作用を邪魔してメリットあるの?」という方もいらっしゃるかもしれません。
違うんです。
前述の通り、リパーゼによって、脂肪は「脂肪酸」と「グリセリン」の2つに分解されます。
そして、脂肪のエネルギーはこの「脂肪酸」の状態で体内に吸収と保管をされます。
つまり、リパーゼの作用で脂肪が脂肪酸に分解されてしまうのを、サポニンの力で遅らせる。
結果、脂肪が体内に余分に吸収される前に体外に排出するということですね。
オックスフォード大学の論文では、膵臓リパーゼによる脂肪の分解を阻害することにより、脂肪が腸管に吸収されるのを阻害する可能性を示唆していました。
ちなみにこの実験では桔梗から抽出したサポニンを使用しています。
AMPKの活性化
前述のリパーゼ非活性化とも密接な関わりがありますが、サポニンにはAMPKの活性化による脂肪(と糖)の消費量アップ効果があります(参考)
「…と言われてもAMPKってそもそもなに?」という方も多いでしょう。
AMPKは「Adenosine Monophosphate-activated Protein Kinase」の略で代謝の中心となる酵素です。
「AMPK」「AMP活性化プロテインキナーゼ」という文字列を見たら「あぁ、代謝の話だな」くらいに覚えておけばOK。
AMPK(AMP-activated protein kinase).細胞内のエネルギー状態を監視し,その状態に応じて糖・脂質代謝などを調節するセリン・スレオニンキナーゼで「代謝マスタースイッチ」とよばれている.
活性化AMPKはエネルギー産生経路(糖輸送,脂肪酸化)を亢進し,エネルギー消費経路(タンパク質合成)を遮断することにより細胞内ATPレベルの回復をはかり,細胞内のエネルギー恒常性の維持に貢献している.
AMPK:バイオキーワード集|実験医学online:羊土社
AMPKは、身体のなかのATP(エネルギー)が減り始めると、下記の2つを実行。
身体のなかのATPが減少した時のAMPKの2つの効果
- ATPの生成量を増やす
- ATPの消費量を抑制する
ちなみに、このATPというのは、人間のあらゆる活動に使われるエネルギーです。
手足を動かすのも、読書をするのも、筋トレするのも、全てこのATPで行われています。
ちなみに、このATPというエネルギーの主な原料は糖ないしは脂肪。
つまり、AMPKの活性化でエネルギーの産生量が増える=糖と脂肪の消費量アップが期待できます。
無酸素運動(筋トレ)の際には糖分を優先的に、有酸素運動の際には脂肪を優先してATPを生成します。
まとめると、サポニンを意識して摂取することで「AMPKの活性化→糖と脂肪の消費量アップ→痩せやすい身体!」という流れが期待できるわけですね。
食欲の抑制
ここまで、サポニンは体内の脂肪を低下させる効果に優れた栄養素だということを説明してきました。
しかし驚くべきことに、サポニンには食欲そのものを抑制する効果があります。
朝鮮人参を使用した韓国の実験(参考)では、通常の食事と高脂肪食をそれぞれ与えたラットに朝鮮人参のサポニンを投与しました。
その結果、朝鮮人参のサポニンを投与したグループでは、体重・食物繊維量・脂肪含有量だけでなくレプチンやニューロペプチドY(NPY)などの「食欲ペプチド」も減少することが判明。
このように、サポニンのもつ抗肥満剤としての作用は多方面からたくさんの論文で支持されています。
まとめ:身近だけど幅広い恩恵のサポニン
いかがでしたでしょうか。
サポニンはたくさんの効果があるにも関わらず、緑茶や大豆・あずきに納豆など身近な食材で簡単に摂取することが可能です。
もちろんアシュワガンダも。
それこそ自動販売機のペットボトル緑茶でもOK。
よければあなたの食生活に取り入れてみてください。
それでは今回の記事をまとめてしめましょう。
以上です。ここまで読んでいただきありがとうございました。
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- The inhibitory effect of saponin derived from Cheonggukjang on adipocyte differentiation In vitro | SpringerLink
- Platycodi Radix Affects Lipid Metabolism in Mice with High Fat Diet–Induced Obesity | The Journal of Nutrition | Oxford Academic
- Comparison of the antiobesity effects of the protopanaxadiol- and protopanaxatriol-type saponins of red ginseng – PubMed
- The inhibitory effect of saponin derived from Cheonggukjang on adipocyte differentiation In vitro
- Panax notoginseng saponins suppress radiation-induced osteoporosis by regulating bone formation and resorption
- Amelioration of acute myocardial infarction by saponins from flower buds of Panax notoginseng via pro-angiogenesis and anti-apoptosis
- In vitro study of the antifungal activity of saponin-rich extracts against prevalent phytopathogenic fungi
- Stimulatory effect of saponin from Panax ginseng on immune function of lymphocytes in the elderly
- Dietary Saponin, a Factor Which May Reduce Liver and Serum Cholesterol Levels
- Antioxidant effect of saponin: potential action of a soybean flavonoid on glucose tolerance and risk factors for atherosclerosis
- Cancer Chemopreventive and Therapeutic Effects of Diosgenin, a Food Saponin
- Effect of Crude Saponin of Korean Red Ginseng on High Fat Diet-Induced Obesity in the Rat
- サイカチ – Wikipedia
- ムクロジ – Wikipedia
- サポニン – Wikipedia
- 抹茶はどうしてきめ細かい泡ができる?お茶の【サポニン】の働き。 | 茶活 CHAKATSU