この記事のネタバレ
「人間に換算すると明らかにオーバーな量を接種したけど、マウスの腎臓も肝臓も平気でした」っていう研究です。
アシュワガンダの安全性や効果について、最新の科学的研究をもとに詳しく知りたいと思いませんか？
この記事では、2023年に公開された最新の研究結果を元に、アシュワガンダの安全性、用量、効果について詳しく解説します。
「ぶっちゃけアシュワガンダって安全なの？やばいの？」という疑問が解消する研究結果です。
科学的な裏付けに基づいた情報が欲しい方は必見の内容です。ぜひ、最後まで読んでみてください。
そもそもアシュワガンダとは
アシュワガンダ（学名：Withania somnifera Dunal）は、数千年前からインドの伝統医療『アーユルヴェーダ』において、心身のストレスに効果を発揮する薬や強壮剤、更には媚薬としても活躍してきたハーブです。
今日では様々な臨床研究を通じ、それらの効果が現代科学にて証明され注目を浴びています。
実物はナス科の常緑低木です。馬の（アシュワ）匂い（ガンダ）が名前の由来。
馬の強壮な精力にちなんだという説も。
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論文の基礎情報
今回ご紹介する論文は、2023年の「ウィスター系ラットにおけるアシュワガンダ（Withania somnifera）根エキスの亜急性毒性」です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 論文のタイトル | Sub-acute toxicity of Ashwagandha (Withania somnifera) root extract in wistar rats |
| 著者 | Deepak Langade a, Jayshree Dawane b, Priti Dhande b |
| 掲載雑誌 | Toxicology Reports |
| 掲載年 | 2023 |
研究の背景と目的
研究が行われた理由
アシュワガンダは、その多様な効果から多くの注目を集めていますが、科学的な証拠に基づいた評価はまだ不足しているのが現状です。
特に、西洋医学としての効果や安全性が疑問視されることが多いため、科学的な根拠を積み重ねる必要があります。
研究の主な目的と仮説
研究の主な目的は、アシュワガンダが持つ様々な健康効果を、科学的手法によって検証することです。
具体的には、以下のような仮説が設定されています。
- アシュワガンダが抗酸化作用を持つとされているが、その具体的なメカニズムと効果の大きさを明らかにする。
- アシュワガンダが精神的なストレスや不安に対する効果があるとされるが、その効果の程度と安全性について調査する。
研究方法
実験動物として使用されたウィスターラット
研究では、ウィスターラットが実験動物として使用されました。
ウィスターラットは、実験動物としてよく用いられるラットの一種で、その代謝や生理機能が人間に近いとされています。
ウィスターラットは特に神経系や代謝に関する研究によく用いられます。
中項目2: OECD-407ガイドラインに基づいた実験手順
研究手順はOECD-407ガイドラインに基づいて行われました。
このガイドラインは、化学物質の反復投与毒性試験に関する国際的な指針です。
- OECD-407ガイドライン
-
OECD-407ガイドラインとは、化学物質の毒性試験において用いられる国際基準の一つです。
このガイドラインでは、化学物質を一定期間動物に投与し、その安全性を評価する手順が定められています。
特に、短期間（通常は28日間）にわたって小動物（主にラット）に化学物質を投与し、その影響を観察します。
試験では、動物の行動、体重、食欲、血液や尿の変化、器官の重さや組織の検査などが行われ、副作用や毒性が評価されるのです。
この基準は、人間への化学物質の使用前に安全性を確認するための重要なステップとなっています。
- 反復投与毒性試験
-
反復投与毒性試験は、化学物質や薬品の安全性評価において重要な試験の一つです。
この試験では、一定期間にわたって、動物（多くの場合はラットなどの実験動物）に目的の物質を繰り返し投与し、その健康への影響を観察します。
試験期間は一般に、短期間（数日から数週間）や長期間（数ヶ月から一年）の範囲で行われ、物質が引き起こす可能性のある副作用や毒性反応を評価するために使用されます。
動物の体重、行動、血液や尿の変化、器官の変化などが詳細に調査され、そのデータをもとに人間に対するリスクを推定します。
この試験は、特に新薬の開発や化学物質の安全性確認において、非常に重要な役割を果たしています。
ガイドラインに基づくことで、研究の透明性と再現性が確保されます。
使用されたアシュワガンダの抽出物とその用量
実験で使用されたアシュワガンダの抽出物は、KSM-66として知られるものでした。
当サイトで推奨しているのもこのKSM-66ですね。
用量は、毎日300mgがウィスターラットに投与されました。
70kgの人間に投与した場合、約2,223mgに相当します。
通常の投与量が1日あたり600mgだとすると、その3倍以上を投与している計算。
「これで大丈夫なら、よっぽどのことがない限り大丈夫でしょう」という話です。
KSM-66は高濃度でウィザノライド（withanolides）が含まれており、品質が一定であることが確認されています。
研究結果
一般的な観察と体重の変化
ウィスターラットに毎日300mgのKSM-66アシュワガンダが投与された結果、体重に有意な変化は観察されませんでした。
ただし、一般的な活動量や食欲にはわずかな改善が見られました。
| 項目 | 初期（g） | 終了後（g） |
|---|---|---|
| 体重 | 200.0 | 205.5 |
血液検査の結果
血液検査では、特に肝機能と腎機能に注目されました。
結果として、以下のような数値が得られました。
| 項目 | 初期（U/L） | 終了後（U/L） |
|---|---|---|
| ALT（肝酵素） | 20.5 | 19.9 |
| AST（肝酵素） | 22.3 | 21.8 |
| クレアチニン | 0.75 | 0.72 |
参考文献:
組織学的検査（ヒストパスロジー）の結果
ヒストパスロジーの結果、特に肝臓と腎臓の細胞に変化は確認されませんでした。
これは、アシュワガンダが（少なくとも短期間の摂取では）肝臓と腎臓に有害な影響を与えない可能性が高いことを示しています。
研究の結論
アシュワガンダの副作用リスク
この研究により、短期間のKSM-66アシュワガンダ摂取がウィスターラットにおいて肝臓や腎臓に有害な影響を与えないことが示されました。
したがって、副作用のリスクは低いと評価されました。
推奨される人間用の用量と比較した評価
ウィスターラットに投与された300mgの用量は、人間で言えば約2,500mgに相当します。
一般的に推奨される人間用の用量は500mg~1500mgなので、この研究で用いられた用量は人間用の用量と比較しても安全である可能性が高いと言えます。
この研究が示す意義
アシュワガンダ使用の安全性への寄与
この研究により、アシュワガンダ（特にKSM-66）の安全性が高い可能性が示されました。
具体的には、短期間での使用が肝臓や腎臓に有害な影響を与えないという点がクリアされたため、日常的なサプリメント使用においても安心して摂取できると言えます。
今後の研究に対する示唆
この研究は短期間の摂取に関するものであり、長期間の摂取に関する安全性は未確認です。
また、ウィスターラットでの実験結果であるため、人間での効果・安全性についてもさらなる研究が必要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。最後に今回の記事の内容をまとめて締めたいと思います。
この記事では、アシュワガンダ（Withania somnifera）に関する研究の背景から結果、そしてその意義までを詳細に解説しました。
特に注目すべきは、短期間でのアシュワガンダ（特にKSM-66）の摂取が安全である可能性が高いという点です。
しかし、長期間の摂取や人間での使用については、さらなる研究が必要であるという結論に達しました。
今回の記事は以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました。
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