ネタバレ:アシュワガンダが女性の性機能に与えた効果
- 女性の性機能:改善・向上
- 潤滑レベル:向上
- 性行為の回数:向上
- 性行為時の満足度:向上
- オーガズム障害:改善
- 性行為時の苦痛:減少
「身体は健康なはずなのに、身体的もしくは精神的に性欲がもてない」
「不感症・オーガズム障害かもしれない(要は性行為でイケない)」
「アシュワガンダで男性の性機能が向上することは知ってるけど女性は?」
理由はさまざまですが、男女問わず自分の性機能に悩む方は非常に多いのではないでしょうか。
この記事を読めば、アシュワガンダで女性の性機能が向上・改善した研究のことがバッチリわかります。
もしあなた・もしくは女性のパートナーが悩みを漠然とでも抱えているなら、ぜひこの記事を読んでみてください。
そもそもアシュワガンダとは
アシュワガンダ(学名:Withania somnifera Dunal)は、数千年前からインドの伝統医療『アーユルヴェーダ』において、心身のストレスに効果を発揮する薬や強壮剤、更には媚薬としても活躍してきたハーブです。
今日では様々な臨床研究を通じ、それらの効果が現代科学にて証明され注目を浴びています。
実物はナス科の常緑低木です。馬の(アシュワ)匂い(ガンダ)が名前の由来。
馬の強壮な精力にちなんだという説も。
▼おすすめ記事▼
研究の内容:アシュワガンダが女性の性機能障害を改善する可能性の検証
今回ご紹介するのは2015年に発表された「女性の性機能の改善におけるアシュワガンダの根の抽出物の有効性と安全性:パイロット研究)」という研究です。
改善可能性の根拠を見る前に、まずは研究対象の被験者の属性を見ていきたいと思います。
まずはおおざっぱに下記の4つのカテゴリのうち、1つ以上当てはまる方を対象にしています。
研究対象者:以下4つのうち1つもしくは複数発症者
4つ目の「性器と性的興奮障害の組み合わせ」はおそらく心理面・肉体面両方の併発問題ということだと思われます。
上記を満たした上で、以下の細かい条件を満たしている人たちが今回の研究の被験者です。
※除外条件などは元記事(参考)をご確認ください。
上記の条件に合致する被験者を対象に、下記の内容を検証し確認するのが目的です。
この研究の研究者さんたちは、「アシュワガンダが女性の性機能を改善する根拠」として、下記の2点に注目しています。
研究者たちが根拠としたアシュワガンダの要素 2選
- 抗ストレス機能
- アンドロゲン欠乏症の解消能力
「いや意味わからん」という人がほとんどだと思います。それぞれ見ていきましょう。
仮説①:抗ストレス機能
1つ目。「抗ストレス機能」について。
アシュワガンダはストレスを軽減する、という結果が他のたくさんの研究で出ています。
そして、女性は慢性的なストレスを患っているとき、心身の性的な欲求が低下することも判明しています。
つまり、元となるストレスを取り除くことで性欲減退の改善が期待できます。
仮説②:アンドロゲン欠乏症候群を相殺する効力
2つ目。「アンドロゲン欠乏症の改善効果」について。
「アンドロゲン欠乏症ってなに?」という方もいると思います(わたしも思いました)。
ざっくりいうと、アンドロゲンというのは男性ホルモンのひとつです。
意外なことに、実は女性でも男性ホルモンはあります。
逆に、男性にも女性ホルモンは分泌されてます。
そして、男性でも女性でも、性欲を司る主なホルモンは「男性ホルモン」なのです。
つまり、女性でもアンドロゲンが欠乏すると、性欲が起きなかったり、性機能に不調をきたします。
男性ホルモンといえば、アシュワガンダにはアンドロゲンとは別の「テストステロン」という男性ホルモンの分泌量を増やす効果があることが知られています。
そこで、研究者さんたちは、「アンドロゲンが欠乏した分の男性ホルモンを、同じ男性ホルモンであるテストステロンで埋めれば性欲が増加するのでは」と考えました。
これが仮説根拠②です。
研究データと効果の測定方法
2つの仮説を確認したところに、今回の研究の基礎条件についておさらいします。
まずは基礎データから。
上記の50人を、「アシュワガンダを摂取するグループ」と「プラセボを摂取するグループ」に分けて違いを観察します。
今回は女性性機能指数(FSFI:Female Sexual. Function Index)という女性の性機能を測るアンケート(参考)を使用しています。
FSFIは、19項目の質問項目に対して、それぞれ6段階評価で回答し性機能の充実度を測る手法です。
今回の実験では19項目の質問を下記の6つのカテゴリに集約。
そしてポイントをつけて改善度を調べます。
今回の実験でフォーカスする女性性機能指数(FSFI)
- 性欲
- 感度
- 潤滑
- オーガズム
- 満足度
- 痛みの軽減度合い
上記の内容を、4週間めと8週間めごとに、アシュワガンダ摂取グループとプラセボ摂取グループで比較します。
その結果から、アシュワガンダの有効性を測ります。
研究の結果:女性の性機能改善に効果あり
結論から言うと、アシュワガンダは女性の性機能を改善することがわかりました。
前述の6つのカテゴリ全部でプラセボよりも有意な結果が得られました。
あまり向上しなかった性機能:性欲
性欲ついては、両グループともに、最初のアンケートの点数は1.8付近でした。
8週間後にはアシュワガンダ摂取グループは2.21、プラセボグループは1.95
正直これは僅差です。
研究者の方々も「アシュワガンダは性欲に影響なし。アシュワガンダは媚薬ではない」と結論。
向上した性機能①:感度
「性欲自体は向上しないのはわかった。他は?」ということで感度をみてみましょう。
最初は両グループともに約2.15です。
4週間の時点で離れ始め、8週間後にはアシュワガンダグループは3.54、プラセボグループは2.74。
変化値はアシュワガンダがプラセボの約2倍です。
向上した性機能②:潤滑
「感度が上がったということは滑りもよくなってるの?」ということで潤滑。
若干ですが上がりました。
最初は両グループともに約2.40です。
8週間後にはアシュワガンダグループは3.80、プラセボグループは3.19。
変化値をみると、アシュワガンダが2倍近く向上。
向上した性機能③:オーガズム
後半戦。オーガズムの改善について。
開始時点では両グループともに約1.90程。
8週間後の時点でアシュワガンダグループが3.41、プラセボグループが2.91。
アシュワガンダでオーガズムのしやすさ(要はイ○やすさ)が向上しました。
向上した性機能④:満足度
「いろいろ向上しているらしいけど、性行為そのものの満足度は?」ということで満足度。
開始時の満足度のポイントは両グループともに約2.35。
8週間後、プラセボグループは0.33とほとんど変わっていません。
逆に、アシュワガンダグループは1.44も向上しています。
性行為自体の満足度もバッチリ向上していることがわかります。
向上した性機能⑤:痛み・苦痛の軽減
「痛み・苦痛は?」ということでみてみましょう。
「痛み・苦痛」なので、数値が下がっているほど改善されています。
痛み・苦痛の軽減 | アシュワガンダ摂取グループ | プラセボ摂取グループ |
---|---|---|
開始時 | 16.28 | 16.24 |
4週間後 | 10.16 | 13.24 |
8週間後 | 6.36 | 11.96 |
変化値 | -9.92 | -4.28 |
結論から言うと痛み・苦痛はバッチリ軽減。
最初の段階では両グループともに16.25付近です。
8週間の時点でアシュワガンダグループの苦痛度は6.36、プラセボグループは11.96。
変化値はプラセボが-4.28。アシュワガンダグループが-9.92です。
倍以上に苦痛度が減っていることがわかります。
向上した性機能⑥:性行為の回数
「アシュワガンダの効果が高いのはわかった。で、回数自体は増えた??」というかたにお答えします。
結論から言うと増えました。
異性との新しい出会い自体には影響しませんでした(参考)が、性行為の回数そのものは増えたという結果になりました(おひとりさまor相手あり)
性機能が向上した結果、行為への積極性も向上しました。
似た結果が出てる他の研究
今回のように「アシュワガンダと女性」をテーマにした研究論文や海外記事は他にもあります。
■2020:なぜアシュワガンダを服用する必要があるのですか?
■2015:アシュワガンダが女性に利益をもたらす6つの驚くべき方法
■2021:更年期症候群の管理におけるアショカリスタ、アシュワガンダ、プラヴァルピシュティの臨床評価
アショカリスタとプラヴァルピシュティもアーユルヴェーダで女性の性機能の向上に役立つとされているハーブです。
管理人の感想
思ってたよりすごかった、というのが素直な感想です。
今回の実験では、アシュワガンダは「媚薬効果自体はない」とされました。
しかし、その他の結果を見ると、アーユルヴェーダ(インドの伝統医療)でアシュワガンダが媚薬として扱われてきたことに納得がいきます。
「性行為の回数が増えたんならそれ媚薬じゃね?」と正直思いました。
まとめ:アシュワガンダは女性の性機能の改善に有効
今回の研究者さんたちは、下記のように結論しました。
仮説どおり、「ストレス管理機能」と「テストステロンの向上によるアンドロゲン欠乏症の相殺」のどちらか、もしくは両方が機能した結果と考えられます。
注:被験者が50人の小規模で、かつ8週間という短い期間であることと、記録ポイントが最初と4週間目と8週間目と3ポイントしかありません。観測回数を増やすことで、より詳細な結果が得られるだろうとのこと。
性機能の不備不具合で悩んでいる女性の方や、パートナーの女性の方との性生活に悩んでいる方はぜひアシュワガンダを試してみてください。
結果を見る限り、すくなくとも損はしないと個人的に思います。
まとめ:アシュワガンダが女性の性機能に与えた効果
- 女性の性機能:改善・向上
- 潤滑レベル:向上
- 性行為の回数:向上
- 性行為時の満足度:向上
- オーガズム障害:改善
- 性行為時の苦痛:減少
今回の記事は以上です。最後まで読んでくれてありがとうございました!
免責事項
当サイトは、主にアシュワガンダの研究結果に関する情報を提供するためのものであり、医療アドバイスを提供するものではありません。
特定の病気や症状についての診断、治療、予防を目的としたものではありません。
当サイトの情報を利用する場合は、必ず専門家のアドバイスに従ってください。
また、当サイトの情報に基づいて行動することで辿る損失や被害についても責任を負うことはできません。
参考文献
- Efficacy and Safety of Ashwagandha (Withania somnifera) Root Extract in Improving Sexual Function in Women: A Pilot Study
- 性欲減退障害 – 22. 女性の健康上の問題 – MSDマニュアル家庭版
- female sexual arousal disorderの意味・使い方・読み方 | Weblio英和辞書
- オルガスム障害 – 22. 女性の健康上の問題 – MSDマニュアル家庭版
- インフォームドコンセントと倫理 | 日本看護協会
- Ashwagandha: The Definitive Guide | FutureYou
- 6 Amazing Ways In Which Ashwagandha Benefits Women – Z Living
- Clinical evaluation of Ashokarishta, Ashwagandha Churna and Praval Pishti in the management of menopausal syndrome