アシュワガンダが肝機能を守る？ – セルトラリン使用者への新たな希望

「セルトラリンを服用しているけど、肝機能への影響が心配…何か良い対策はないかな？」
「アシュワガンダの健康効果についてもっと知りたい。特に、薬物との相互作用について知りたい。」
「抗うつ薬の副作用についてもっと深く理解したい。最新の研究結果は何かある？」

今回はこんな方向けの記事です。

抗うつ薬の副作用に悩むあなたへ。薬物治療における肝機能への影響を考慮したことはありますか？

抗うつ薬セルトラリンの長期投与が肝機能に及ぼす可能性のある影響を知っていますか？

今回の記事では、2023年の研究を元に、セルトラリン使用者にとって可能性のある新たな希望となる、ハーブのアシュワガンダとの組み合わせによる効果について、最新の研究を元に詳しく解説します。

セルトラリンを使用していて、肝機能への影響が気になるという方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

そもそもアシュワガンダとは

アシュワガンダ（学名：Withania somnifera Dunal）は、数千年前からインドの伝統医療『アーユルヴェーダ』において、心身のストレスに効果を発揮する薬や強壮剤、更には媚薬としても活躍してきたハーブです。

今日では様々な臨床研究を通じ、それらの効果が現代科学にて証明され注目を浴びています。

実物はナス科の常緑低木です。馬の（アシュワ）匂い（ガンダ）が名前の由来。
馬の強壮な精力にちなんだという説も。

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論文の概要

今回ご紹介する論文は、「（和訳）」です。

はじめに

研究の背景と目的

抑うつ症状を緩和するために広く使用されている抗うつ薬セルトラリンは、その効果が高い一方で、一部の患者において肝機能に影響を及ぼすことが知られています。

抗うつ薬セルトラリン

セルトラリンは、一般的に抗うつ薬として知られる医薬品で、特に「選択的セロトニン再取り込み阻害薬」（SSRI）というクラスに分類されます。

セルトラリンは、脳内のセロトニンという神経伝達物質の量を増やすことで、うつ病、強迫性障害、パニック障害、社会不安障害、恐怖障害などの症状を改善します。

この薬は医師の処方箋が必要で、一部の人には副作用が発生する可能性があります。それには、不眠症、吐き気、性欲減退などがあります。

こうした状況を改善するための新たなアプローチとして、伝統的なアーユルヴェーダ医学においてストレス緩和や体力増強のために使用されてきたハーブ、アシュワガンダ（Withania somnifera）の有用性を探るための研究が行われました。

この研究の主な目的は、アシュワガンダがセルトラリン服用患者の肝機能に与える影響を明らかにすることでした。

アシュワガンダとセルトラリンについての簡単な説明

アシュワガンダは、長年にわたってアーユルヴェーダ（インドの伝統的な医療システム）で使用されてきたハーブで、その抗酸化、抗炎症、抗ストレス効果が広く認識されています。

一方、セルトラリンは、主に抑うつ症の治療に使用される選択的セロトニン再取り込み阻害薬（SSRI）で、脳内のセロトニンレベルを増加させることで抑うつ症状を緩和します。

しかしながら、一部の患者ではセルトラリンの長期服用が肝機能の変化を引き起こす可能性があります。

研究方法

研究デザインと参加者の選抜

この研究は開放ラベル、ランダム化、比較、そして前向きの研究として設計され、新たに大うつ病性障害（MDD）と診断された80人の患者が参加しました。参加者の選抜は特定の基準に基づいて行われました。

実験グループと対照グループの設定

参加者はランダムに2つのグループに割り当てられました。

一つはセルトラリンのみを服用するグループ（セルトラリングループ）で、もう一つはセルトラリンとアシュワガンダを併用するグループ（セルトラリン＋アシュワガンダグループ）です。

後者のグループでは、アシュワガンダを1日2回、合計500mg（250mgを2回）を服用しました。

研究期間と肝機能の評価方法

治療は3ヶ月間続けられ、その間に両グループの患者の肝機能は評価されました。

具体的には、治療開始前と治療終了後に各患者の肝機能パラメータ（SGOT、SGPT、全蛋白、グロブリンなど）が調査されました。

SGOT（AST: アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ）

SGOT（AST: アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ）は、主に肝臓だけでなく心臓、筋肉などの組織に存在する酵素です。

肝臓の損傷があると、この酵素が血液中に放出されるため、SGOTの血中濃度は肝臓の健康状態を反映する一つの指標となります。

SGPT（ALT: アラニンアミノトランスフェラーゼ）

SGPT（ALT: アラニンアミノトランスフェラーゼ）も肝臓に存在する酵素で、SGOTと同様に肝損傷時に血液中に放出されます。

SGPTはSGOTよりも肝臓特異的であるため、肝臓の機能をより正確に反映するパラメータとされています。

全蛋白（Total Protein）

全蛋白（Total Protein）は、血液中のアルブミンとグロブリンと呼ばれる二つの主要なタンパク質の合計値を示します。

全蛋白値が低下すると、肝臓の機能低下や栄養不良を示す可能性があります。

グロブリン

グロブリンは、血液中に存在する主要なタンパク質の一つで、抗体の生成や炎症反応に関与しています。

グロブリン値が高いと、体が何らかの感染症や自己免疫疾患に対して反応している可能性を示します。

研究結果

セルトラリンの単独投与が肝機能パラメータに与えた影響

セルトラリンのみを投与したグループにおいては、SGOT（血清グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ）、SGPT（血清グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ）、全蛋白、グロブリンレベルが有意に増加するという結果が得られました。

一方、その他の肝機能パラメータの値には有意な差は見られませんでした。

アシュワガンダとセルトラリンの共同投与が肝機能パラメータに与えた影響

一方、アシュワガンダとセルトラリンを併用したグループでは、3ヶ月間の治療前後で肝機能パラメータのどの値にも有意な差は見られませんでした。

両グループの治療前後の肝機能パラメータの比較

両グループの肝機能パラメータを比較したところ、セルトラリン単独投与グループではSGOT、SGPT、全蛋白、グロブリンのレベルが有意に増加したのに対し、アシュワガンダとセルトラリンを併用したグループでは、これらのパラメータに有意な変化は見られませんでした。

この結果から、アシュワガンダはセルトラリン服用時の肝機能の変化を防ぐ可能性があることが示唆されました。

研究の解釈と結論

セルトラリン単独投与とアシュワガンダとの共同投与が肝機能に与える影響の評価

この研究から、セルトラリン単独投与は肝機能パラメータ、特にSGOT、SGPT、全蛋白、グロブリンのレベルに有意な影響を及ぼすことが明らかになりました。

しかし、これらの値はアシュワガンダとの共同投与により安定した結果が見られました。

アシュワガンダがセルトラリン投与時の肝機能への影響を防ぐ可能性について

アシュワガンダとセルトラリンの共同投与により、肝機能パラメータに大きな変動が見られなかったことから、アシュワガンダがセルトラリン投与時の肝機能への影響を防ぐ可能性があると考えられます。

「変化が見られなかった」ということは、本来あるはずのセルトラリンによる肝臓への影響が非常に少なかったということですね。

結論と今後の研究に向けた提言

結論として、長期的なセルトラリン投与は一部の肝機能パラメータを上昇させる可能性があるが、これはアシュワガンダの併用により防ぐことが可能である可能性が示唆されました。

しかしながら、アシュワガンダとセルトラリンの組み合わせが肝機能に全く影響を与えないわけではありません。

これらの結果は、アシュワガンダとセルトラリンの併用が肝機能に与える影響をより詳細に理解するための更なる研究が必要であることを示しています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。最後に今回の記事の内容をまとめて締めたいと思います。

今回の記事は以上です。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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